グリーン電力証書によりRE100達成!追加性や15年ルール、イニシアティブとの関連性を解説

「脱炭素の担当者としてRE100の達成方法を知りたい」

「グリーン電力証書により、RE100は達成できるの?」

このように考えていませんか?RE100の達成は難しいように感じ、どのような施策を取れば良いのかわかりづらいですよね。

結論から解説すると、グリーン電力証書によりRE100は達成できます。

本記事では、RE100の概要やグリーン電力証書でRE100を達成できる理由を解説します。RE100以外にもグリーン電力証書によりできることや企業事例を説明するため、取り入れる際の参考にしてください。

世界中で求められるRE100について理解して、グリーン電力証書の購入につなげましょう。

RE100(Renewable Energy100%)とは?

RE100とは、企業活動における使用電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的なイニシアティブです。化石燃料や原子力に頼らない発電が目標であり、株式会社リコーや積水ハウス株式会社のような大手企業も参加しています。

RE100に参加する企業は「事業運営を100%再生可能エネルギーで行う」点と「いつまでに何%達成するのか」という期限を宣言しなければなりません。また、加盟企業には、毎年報告書の提出が義務付けられています。

RE100に参加するメリットは、企業がESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資手法)を呼び込みやすくなる点です。

経済産業省が行ったアンケート調査によると、98%の運用機関がESG要素を投資判断に活用していると報告されました。RE100達成を目指している企業のように環境に配慮した経営は評価されるのです。

RE100を達成したい企業は、主に以下の3パターンで取り組めます。

  • 自社の施設で再生可能エネルギーから作られる電力を発電し、事業運営を行う
  • 発電事業者から再生可能エネルギーで発電された電力を市場で購入する
  • 再エネ証書を購入する

多くの企業は、自社の施設で再生可能エネルギーにより作られた電力を発電するのは難しいため、グリーン電力証書などの再エネ証書を購入して、RE100の達成を目指すことが多い傾向です。

グリーン電力証書によるRE100達成

メリットの多いRE100は、以下の理由によりグリーン電力証書で達成できます。

  • 再生可能エネルギーは、太陽光や風力、持続可能な水力、持続的に調達できるバイオマス、地熱が認められる
  • RE100の基準には再エネ証書の購入が認められる

グリーン電力証書は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから作られた電力が認められるため、RE100の達成が可能です。

また、RE100の新基準として、稼働年数15年以内の発電設備から発電された環境価値のみを認めるという、追加性の要素も追加されています。グリーン電力証書は認証段階で追加性がある発電設備のみ認証されます。

さらに、株式会社エナーバンクで取り扱いしている環境価値をデータ化するサービス「グリーンチケット」は、発行から5年以内のものですので、RE100の達成をご支援できます。グリーン電力証書のRE100達成について気になる方は、気軽にご相談ください。

グリーン電力証書とRE100を含むイニシアティブの関連性

グリーン電力証書は、RE100以外にも以下のイニシアティブとの関連があります。

  • RE Action
  • SBT
  • CDP

RE100以外のイニシアティブの関連性と効果を理解して、取り組みにつなげましょう。

RE Action

RE Actionとは、国内の中小企業が参加できるイニシアティブです。環境省によると、日本企業においてRE100に加入する条件は、年間電⼒消費量50GWh以上に設定されています。

そのため、RE100の理念に共感していても参加できない企業が多いことから、RE Actionが利用されているのです。2022年12月時点では、297社が参加しています。

特徴は、RE100と同様に、グリーン電力証書を購入すると再生可能エネルギーの利用を計上できる点です。以下の認定要件により、参加できます。

  • 2050年までに使用電力を100%再生可能エネルギーにする目標を設定・宣言する
  • 消費電力量と再エネ率の進捗を毎年報告

RE100に参加できない企業の方も、グリーン電力証書を活用してRE Actionへの報告に役立ててください。

SBT

SBTとは、温室効果ガスの削減目標です。

グリーン電力証書との関連性は、証書の購入により、SBTにて求められるscope2(企業が外部から購入する電⼒・蒸気・熱に関する温室効果ガス)を削減したと見なせる点です。これにより、SBTへの報告に活用できます。

SBTの取り組みは、RE100と同様にESG投資の機会に恵まれる点がメリットです。環境省によると、世界のESG市場は2016年から2019年の3年間で4.2倍程増加していると報告されました。

拡大するESG市場においてSBT認定を取得することで、投資家の目に留まり、スムーズな資金調達につながるでしょう。

CDP

CDPとは、気候変動への取り組みを評価する非政府組織です。CDPに温室効果ガスの排出量を測定・開示すると、削減に貢献したと見なされます。実際に、8,400社以上(2020 年5月20日時点)がCDPを通じて情報開示しています。

再エネ証書を利用してCDPに報告する際には、kWh単位で電力の属性を示す証明書が必要とされており、条件に適合するグリーン電力証書が活用できます。

また、CDPからの質問は以下のような点がヒアリングされるので、明確に答える必要があるでしょう。

  • スコープ2排出量を報告するための御社のアプローチを説明してください。
  • 御社のスコープ2全世界総排出量はCO2換算で何トンでしたか。

出典:排出量算定・スコープ1, 2の考え方について|CDP

さらに、グリーン電力証書を用いてCDPへの報告をすると、TCFD(各企業の気候変動への取り組みの開示を推奨する国際的な組織)にそった情報開示につなげられます。

報告できる場面が増えると、企業の取り組みのさらなるアピールにつながるでしょう。

グリーン電力証書によりできること3選

ここまでグリーン電力証書とRE100、そのほかのイニシアティブとの関連性を解説しました。

本項では、RE100以外の面でのグリーン電力証書によりできることを3つ解説します。

  • 企業のPRに活用できる
  • カーボン・オフセット制度に活用できる
  • 温対法に対応できる

 1.企業のPRに活用できる

グリーン電力証書を購入すると、日本品質保障機構(JQA)に対して、グリーン電力を利用している事実を証明する「グリーン・エネルギー・マーク」の使用許諾申請を行えます。これにより、自社製品やサービスにグリーン・エネルギー・マークを貼付できたり、イベント時にアピールできたりといった活用ができます。

結果として、商品やサービスの購入者から環境意識が高い企業だと認知され、長期的なイメージアップにつながるでしょう。

2.カーボン・オフセット制度に活用できる

カーボン・オフセットとは、経済活動により排出されるCO2の削減・吸収を行う取り組みです。そして、カーボン・オフセット制度は、カーボン・オフセットの基準を満たすものを認証する制度です。

グリーン電力証書は 「グリーンエネルギーCO2削減相当量認証制度」により、CO2排出削減価値を国が認証してくれます。それにより、カーボン・オフセット制度に活用できるのです。

その結果、グリーン電力証書の購入電力分を再生可能エネルギーから発電した電力であると見なされ、CO2の削減分として相殺できます。

カーボン・オフセットを自社商品に導入すると、商品・サービスの差別化もできるので、積極的に活用することをおすすめします。

3.温対法に対応できる

グリーン電力証書は、温対法(温室効果ガスの排出量を算定し、国への報告が義務付けられた法律)に対応できます。

グリーン電力証書自体は法的拘束力がありませんが「グリーンエネルギーCO2削減相当量認証制度」により国の認証を受けると、温対法への報告ができるのです。

温対法による温室効果ガス排出量の情報開示は、社会に公表される可能性があります。企業の評価を保つためにも、グリーン電力証書を活用して、温室効果ガスの排出量削減の報告に利用できるのはメリットといえます。

【RE100達成も可能】グリーン電力証書の企業事例

本項では、RE100達成にもつながるグリーン電力証書の企業事例を紹介します。

  • 株式会社GOYOH
  • 株式会社エクソル

弊社と連携したグリーン電力証書の活用事例を紹介しますので、導入の参考にしてください。

株式会社GOYOH

株式会社GOYOHは、弊社と連携し脱炭素化に向けた支援を行っています。具体的には、不動産を運営する機関投資家や不動産ファンドと入居テナントの事業者に向けて、グリーン電力証書を提供しています。

目的は、世界のCO2排出量の30%を占めている不動産のカーボン・ゼロへ向けた取り組みを改善するためです。

機関投資家や不動産ファンドが保有するオフィスや集合住宅などの利用者に向けて、グリーン電力証書を活用した再生可能エネルギーの環境価値を提供しています。それだけでなく、不動産オーナーに対しては、再生可能エネルギーにおける環境価値の提供により得た社会的な影響の可視化や改善をしています。

さらに、GOYOHでは、不動産利用者による再生可能エネルギーの環境価値と社会価値を分析して、社会的な影響を数値化・改善策の立案も行う予定です。

このような不動産における再生可能エネルギーの活用に取り組むと、RE100達成にもつながるでしょう。

株式会社エクソル

株式会社エクソルは、弊社と協業して自家消費型太陽光発電システムの環境価値を取引するサービスを提供しています。利用するサービスは、弊社が提供する「グリーンチケット」です。

具体的には、エクソルが設置した太陽光発電から発電された電気のなかで、自家消費した分の電気に含まれる環境価値をデータ化して弊社に譲渡します。

そして、弊社は環境価値をグリーン電力証書に変え環境価値が必要な企業に販売することで、太陽光発電の設置者は売却益を得られます。購入企業にとっては、電力契約に縛られない形で環境価値を購入できるのがメリットです。

グリーン電力証書を購入してRE100を達成しよう

RE100とは、企業の事業活動にかかる電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的なイニシアティブです。グリーン電力証書を購入すると、RE100にて求められる追加性や15年ルールを満たせて達成につなげられます。

グリーン電力証書には、RE100以外にもRE ActionやSBT、CDPへの報告に利用できるので、積極的な活用がおすすめです。

弊社では、グリーン電力証書の仕組みを活用して環境価値を証書化するサービス「グリーンチケット」を提供しています。本記事で紹介したRE100も達成可能です。

興味のある企業は、ぜひ一度ご相談ください。