(エネオク)大川ホールディングス様へのインタビュー

エナーバンクでは、全国の小売電気事業者から最安の電力契約を見つけられるオークション型の仲介サービス「エネオク」を中心に、脱炭素実現やエネルギー問題解決に取り組む企業や自治体を支援しています。

今回は、エナーバンクを実際にご利用いただいた大川ホールディングスの執行役員総務部部長 中島様にお話をうかがいました。

株式会社 大川ホールディングス(代表:川畑賢治)
家具・雑貨・古着の店舗販売事業を展開。家具・古着販売の実店舗14拠点において一括で最適な電力供給への意思決定と市場連動での高圧電力契約締結に至る。年間1.5億円規模の電気料金負担のうち前年比約30%コスト抑制見込み。

ー エナーバンク利用までにどのような課題がありましたか。

以前まで契約していた大手電力さんは2022年5月からだいぶいい単価のご提示をいただいていたのですが、2023年3月で関東から撤退することになったので、別の電力会社を探さなければならなかったんですね。

いわゆる電力難民になりかけていました。もちろん直前にいきなり撤退の話があったわけではなく、前の年から決まっていたことなのですが、ずっと切替先を探していくつか当たってもいい電力会社を見つけられない状況でした。最初は固定の単価で探していて、固定単価で契約できる電力会社もありましたが、お願いしようとしたら見積もりを出せないというケースもありましたね。だいぶ焦りました。

エナーバンクさんにご相談する直前には、電力会社に1社、2社ほどお話を聞いて、もうそろそろ決めないといけないというタイミングでした。とにかく電力会社を決める期限が迫っていたことが大きいですね。

ほとんどねじ込みに近いかたちで第一生命さんにご相談して、最終的にはエナーバンクさんのところで紹介いただいた電力会社に決めました。

ー 電力会社探しはどのように進められていましたか。

基本的にはつてを頼りにご紹介いただいて探していました。今回は第一生命さんにエナーバンクさんをご紹介いただきましたね。

ただ、わたしの本来の仕事はお金に関することなので、銀行さんとのお付き合いが大きいです。銀行さんはビジネスマッチングを得意とされていますので、電力会社をご紹介いただいて見積もりを出してもらうことが多くありました。

エネオクのような電力会社比較サービスを利用することはありませんでしたね。

ー 電力会社の選定ではどのような点が大変でしたか。

電力会社うんぬんというよりも、まずわたし自身が電気や電力会社についてよく知らなかったので、まず電気のことを勉強するところから始めたことが大変でした。

前回切り替えたときにもいろいろ勉強したのですが、それから1年近く経っている上に、もともと明るい分野ではなかったので時間が経つと忘れてしまっていたんですね。あらためて情報を集めるところからやり直しました。

これまで市場連動はまったく考えていなかったのでそれは何かというところから調べるなど、電力会社を検討するにしても1つずつ勉強することが大変でしたね。市場連動だとどのような電気料金になるのか、こちらの電力会社さんとあちらの電力会社さんを比べるにあたってどういうふうに数字を揃えて見るのか…。そういうところが大変でした。

ー ご紹介ではないかたちでエナーバンクやエネオクを知っていたら、興味を持っていただけていたでしょうか?

当時はわらにもすがる思いで探していましたので、​興味を持っていたと思います。

ー エネオクを初めて知ったときの印象はいかがでしたか。

当時はバタバタしていたので、オークション形式というのを事前に聞いて「今から間に合うのだろうか」という思いがありました。結果的には村中さん(エナーバンク代表)にこちらの事情をお話しして、個別対応に近いかたちで親身に対応していただき、非常に助かりました。

もし村中さんに「今からでは無理です」と言われれば、それまでに見積もりを取っていた電力会社に決めていましたね。実際のところその時点でもだいぶ安い料金だったので、「これより安くできるのだろうか」と思っていました。そしたらあっさりと安い料金の電力会社が見つかり驚きました。

ー エネオクを選んだ決め手は何でしょうか。

とにかく料金が安い電力会社を見つけられた点ですね。少なくとも国内において電気の品質はどこも大きく変わらないと思っていますので、選ぶ基準としては料金が大きいと思います。

あとは電力会社の安定性もあると思います。市場連動で電力料金が高騰し、新しい小売りの電力会社がかなり廃業してしまったので、選ぶ際にはその点も気にしていました。

最終的に契約した小売電気事業者さんの電力調達方式では、その点での不安要素がなかったので、大丈夫なのだろうと思いましたね。

ー エナーバンクのサービスを利用していかがでしたか。

本当にバタバタしているなかであったにもかかわらず非常にスムーズでしたね。わたしは夜遅くまで仕事する方ですが、夜遅くにメールしても村中さんからすぐに返信がきて、本当にこちらの事情をご理解いただいてご対応くださったのだと思います。

ー エナーバンクのサービス利用のなかで大変だったことはありますか

拠点の数が多く、1年分のデータを用意しなければならない点は少し大変でした。ただ情報自体はありましたので、問題はなかったと思います。

村中
通常、市場連動の比較はスマートメーターのデータを取得して行います。しかし、大川ホールディングス様の場合は、他の電力会社も含めてスマートメーターのデータが取得できていない状況がありました。試算の前提が12ヶ月の明細のみで、比較の土俵として既に取得されてる月の市場価格の平均値を利用して出してもらっている状況なんですね。
そこで、すでに取得された前提に合わせて見積もりの前提条件を揃えることを重視しました。小売事業者さんの見積もり条件を最初から合わせなければ、時間的に出し直しはできないだろうということで、条件設定をさせていただきました。
また実際に見積もりを取得したときに、託送の手数料が大川ホールディングス様の把握していない単価で計算されていたことが判明した件もありました。
計算方式を含め前提条件として合わせさせていただいた上で、最終的に管理コストも考慮した基本料金と従量料金の単価の横比較ができるよう、見積もり取得後にご案内させていただきました。

託送に関しては勉強になりました。託送は単価に含まれている料金ですが、目に見える状態ではなかったために意識していなかったんですね。初めて料金に関して一通り理解できたという状況でした。

ー エナーバンクのサービスについて魅力を感じる点は何でしょうか。

最初から最後まで個別対応のようなかたちでお世話になったことがありがたかったですね。

もともと想定されたフローとして、たくさんの電力会社をもとに見積もりもらう前のところから、最後に決定するところまでをサポートいただいていたら、本来のエナーバンクさんの魅力がより実感できたかもしれません。

今回はもう本当に個別対応でやっていただけて本当に助かってありがたかった。それに尽きますね。今後は電力会社の契約見直しを折に触れてかけていきたいので、そこで標準的なエナーバンクさんのフローでやらせていただいたらまた新たな発見があるのかなと思います。

ー 実際にどのぐらいメリットがありましたか?

今回契約したプランは取得していた他社と比べて基本料金単価が違っていましたね。管理手数料部分だけでほかの手数料がほぼなくて、年間で1,000万円弱ほど安くなりました。

また今回、大手電力さんが関東から引き上げることとなりましたが、電力会社を切り替えたことで、昨年の5月の料金と比べると、32%安くなっています。金額にすると400万円ぐらいですから大きなメリットですよね。

ー 世界的なエネルギーの高騰や脱炭素の動きがあるなか、施設管理をされる現場で感じている課題感はありますか。

確かに、銀行さんとお付き合いしていても融資で「この商品はSDGsに対する取り組みと紐づいています」「SDGsに取り組んでいる企業さん向けの融資でこれをやりましょう」といったことが非常に多いんですね。だから、都市圏や大企業だけではなく、地方の中小企業にまで影響が及んでいることは肌で実感しています。

ただ、そうは言っても実際にどう取り組んでいこうかという話になると、地方の中小企業はまず本業が重要ですよね。商売をして売り上げを上げて安定させることありきの話です。本業がまともにできた上で、SDGsの方向に背伸びしていけるのかなと思います。

大川ホールディングスの具体的な取り組みに関しては、もともと実施していることでSDGsの課題に当てはまるものがいくつもあるわけです。たとえば古着販売はまさにそうですよね。何か新たにSDGsの取り組みをすることに関しては、まず本業をまともにやることが重要だと思います。

ー エナーバンクでは再生可能エネルギーの電力活用への取り組みを推進していますが、その点に関していかがでしょうか。

これも無視はできないなと思っています。大川ホールディングスだけの問題ではないんですね。巨大メーカーさんとお付き合いするのに再エネを使うことが条件になっていると無視はできません。具体的に今からこうしていくというロードマップがあるわけではありませんが、一定の危機感は持っています。

また、お付き合いをしている地元の銀行さんでは電力調達を再エネにしていくという話も見かけまして、さいたま市が再エネの取り組みをしていけば取引先や融資先にも浸透することが想像できます。その点でも高い関心を持っています。

村中

実は、エナーバンクは2021年からさいたま市さんと連携協定を結び、再エネ導入促進事業「さいたま再エネプロジェクト〜選ぼう、再エネ〜」を行なっています。

このプロジェクトでは、さいたま市の事業者さん、市内の事業者さんに向けて再生可能エネルギーの取り組みを推進しています。CO2排出量を把握しながらサプライヤーも含めてみんなで取り組もうという流れが出てきているところです。たとえば、さいたま市内で「非化石証書」というかたちで再エネを導入すると、市から認定証がもらえる仕組みを整えています。

すべての施設に一度に導入するのはハードルが高いかと思いますが、まずは1拠点だけでも取り組むことで、パートナーさん・銀行さんとの関係において「うちはそういう取り組みをしています」と言えると、ビジネスの観点からもいい方向に動きやすくなるのではないかと思います。エナーバンクではそのようなサポートも可能ですので、ご相談いただけますと幸いです。

株式会社エナーバンク (代表:村中健一)
電力オークション「エネオク」事業を中心に、法人企業や自治体にデジタルソリューションを活用して電力調達や再生可能エネルギー調達をサポート。環境・エネルギー領域を超えてさまざまな連携を実現していきます。