非化石証書は転売できる?用途別の活用方法解説!

1、非化石証書とは何か?

「非化石証書」とは、日本国内で取引される3種類ある「環境価値」のひとつです。他に「J-クレジット」や「グリーン電力証書」があります。

化石電源とは
日本国内の発電方法のうち、化石燃料を使用する発電方法を「化石電源」と呼び、石油や石炭、天然ガスを用いた発電方法は「化石電源」となります。環境価値は二酸化炭素濃度を高めるか否かによって判断される為、「化石電源」には環境価値はないとされます。

非化石電源とは
化石燃料を使用せず大気中の二酸化炭素濃度を高めない発電方法を「非化石電源」と呼び、太陽光や風力、水力、地熱、発酵熱などの再生可能エネルギーに指定された発電方法や、原子力発電や廃プラスチックを利用したゴミ発電のような再生可能エネルギーに指定されていない発電方法が「非化石電源」となります。

二酸化炭素濃度を高めないことが「環境価値」ですので、「非化石電源」には「環境価値」が認められます。この「環境価値」を発電方法から切り離して、取引したり購入したりできるのが「非化石証書」と呼ばれる「環境価値」です。

2、非化石証書の購入方法と活用法

非化石証書を購入する方法は2つあります。ひとつは買い入札を実施可能であり、実際に入札をする見込みがある事業者となりJPEXによるオークションに参加する方法です。もうひとつは、オークションに参加した対象事業者から購入する方法があります。エナーバンクは非化石証書のオークションの対象事業者であり、自治体や民間企業のご要望に応じて業界最安レベルでの非化石証書の提供を実現しています。

JPEXによるオークションで市場に流通

非化石証書はJPEXのオークションによって流通します。JPEXとは、一般社団法人 日本卸電力取引所のことを指し、日本唯一の卸電力取引市場を開設・運営する取引所です。日本においてここ以外のオークションをする場は存在しません。

日本卸電力取引所は2005年に電力取引を開始して以来、日本の卸電力取引を担っている取引所です。

オークションに参加できるのは対象事業者のみ

オークションに参加するためには非化石証書をオークションにおいて購入するためには、JEPXの取引会員となった上で非化石価値取引用IDを発行する必要があり、JPEXの非化石価値取引会員にならねばいけません。

そうした手続きをして認められた対象事業者のみがオークションに参加できます。

企業としての非化石証書の活用方法

非化石証書は環境価値の有する証書として、地球温暖化防止を目的として制定された地球温暖化対策の推進に関する法律(通称、温対法)だけではなく、GHG排出量を算定・報告する際の手順を定めた国際的な基準であるGHGプロトコルによるCO2 排出量の算定に活用することができます。

つまり、企業がパリ協定の求める⽔準と整合した温室効果ガス排出量削減を目指す国際的なイニシアチブのひとつであるSBT(Science Based Targets<科学的根拠に基づいた目標>)や、企業や自治体が環境に与える影響についての情報収集・開示システムを運営するイギリスで設立された国際的な非営利団体のCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project))に活用できます。

他にもトラッキング付き非化石証書であれば、企業が事業活動において使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブのひとつであるRE100などに活用できます。

事業者の種別によって2つに分けられる非化石証書の活用方法

非化石証書の活用方法は事業者の種別によって大きく2つに分けて考える必要があります。

1つ目は需要家と呼ばれる、非化石証書を自社およびグループ会社のオフセットとして活用する方法です。2つ目は、証書仲介業者や小売電気事業者として、オフセットを行う需要家に対して証書の仲介をする方法です。

自分で使うか、使いたい相手に仲介するか。そのどちらかになります。そして、どちらの立場として活用するとしても効率的な証書購入手続きが必要とされます。

3、転売の可否

非化石証書の入手方法として転売はあるのでしょうか。もしできるとすればどのような方法があるのか。それについてお伝えします。

非化石証書の転売は不可能

非化石証書は転売することができません。それは制度として、必ず購入者が使用しなければいけない証書として定められているからです。非化石証書と同様に環境価値を証明できるグリーン電力証書も転売することは出来ません。

ただし、同じ環境価値を証明できるJクレジットは、電気やCO2を削減する方法と完全分離されているために転売することが可能です。

転売可能なJクレジットとは

Jクレジットとは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によってCO2などの排出削減量や適切な森林管理によって増加したCO2などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。

国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度であり、国によって運営されています。

国内クレジット制度とは、京都議定書目標達成計画(平成20年3月28日閣議決定)において規定されている、大企業等による技術・資金等の提供を通じて、中小企業等が行った温室効果ガス排出削減量を認証し、自主行動計画や試行排出量取引スキームの目標達成等のために活用できる制度です。

またオフセット・クレジット制度とは、環境省による「カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)の認証基準に関する検討会」の議論におけるオフセット・クレジット(J-VER)制度に基づいて発行される国内における自主的な温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトから生じた排出削減・吸収量を指します。

オフセット・クレジット(J-VER)はカーボン・オフセットなどに活用が可能です。市場における流通が可能であり、金銭的な価値を持ちます。そのため、オフセット・クレジット(J-VER)プロジェクトの実施者はこのクレジットを売却することにより、収益を上げられます。

4、エナーバンクでの非化石証書提供について

エナーバンクでは環境価値取引サービス「グリーンチケット」事業を展開しています。グリーンチケットでは、「非化石証書」「グリーン電力証書」「J-クレジット」の3つの環境価値証書を取り扱っています。

その中で、エナーバンクがご提供する非化石証書は、非常に安価でシンプルな価格設定で、民間企業だけではなく自治体でもご購入いただいています。

https://www.enerbank.co.jp/shutoken-joint-purchase/

用途や使用量に応じて、それぞれの証書の違いのご説明や、購入タイミングのご相談など、柔軟にご対応可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

詳細はこちら

5、非化石証書でわからないことがあればエナーバンクにおまかせ

非化石証書は転売をすることができない性質上、入手するための経路は限られます。エナーバンクでは非化石証書の購入でわからないことがある事業者様からのご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。