非化石証書を購入する手順を解説

1、非化石証書の購入方法は?

非化石証書を購入する方法は大きくふたつあります。市場取引と相対取引です。

市場取引
日本卸電力取引所(JEPX)が主催する取引所でオークション形式で取引するやり方が市場取引です。JEPXはJapan Electric Power Exchangeの略称です。市場価格は需要と供給のバランスによって変動していきます。

日本卸電力取引所(JEPX)が日本で唯一の卸電力取引所です。

相対取引
発電事業者から電力小売業者が市場を介さず直接購入する方法です。直接取引をする為、その取引価格は相互の契約に基づくので市場価格に左右されません。

2、購入する際の注意点

非化石証書を購入する場合、注意すべき点がいくつかあります。そもそも、非化石証書を購入できるのは電力小売業者のみです。企業が非化石証書を購入してCO2削減に貢献するには小売事業者と電力供給契約を結ぶことになります。

購入をする際は入札時期を確認
日本卸電力取引所(JEPX)の市場取引を利用する場合、入札時期に注意する必要があります。毎年2月、5月、8月、11月に入札があります。入札時期の2ヶ月前までに対象事業者へ問い合わせるのがいいでしょう。

非化石証書の有効期限
1月から12月に発電された電力分の非化石証書は需要家が同年4月から翌年6月までに使用した電力に対して活用することが可能です。

図のようにJPEXでの取引オークションは年4回開催されます。
オークション開催月の前月末までにトラッキング情報の割当申請が必要となります。
その為、トラッキング購入する場合はオークション開催月の前月まで契約行為が必要となります。

3、非化石証書を購入するメリット

非化石証書を購入するメリットとは何でしょうか。そもそも非化石証書は化石燃料ではない電源や電力を使うことでCO2削減目標に貢献していることを証明するものです。

再生可能エネルギーの電力を購入すれば達成できますが、そのコストが高い現状があります。その為、すべてを再生可能エネルギーで賄うことは現実的ではないので、非化石証書を活用する必要があります。

高すぎるコストを抑えるのが大きなメリットのひとつです。他にもメリットとして化石燃料比率の削減、非化石電源比率を達成、再エネ賦課金の負担の軽減があります。

再エネコストの抑制
資源エネルギー庁は2022年12月21日より、1kWhあたり0.1円引き上げた0.4円/kWhにすることを決定しました。現在、脱炭素経営に取り組む需要家などの声を受け、FIT非化石証書の最低価格は0.3円/kWhとされていいたのを世界情勢の変化などから再エネ価値が上昇していることを考慮し、最低価格を引き上げ再エネコストの抑制を決定。

化石燃料比率の削減
日本では2011年の東日本大震災によって原子力発電所が停止してしまい、化石燃料の依存度が高まってしまっています。2021年度における日本の化石燃料依存度は83.2%です。

しかし世界的に脱化石化が求められている現状です。再生可能エネルギー化を進めていくことが、今企業に求められている社会的要求のひとつです。

非化石証書を活用すれば、そうした化石燃料比率を下げる効果があり、化石燃料費の削減をすることができます。社会的要求を満たして責任を果たすことができます。

非化石電源比率の達成
エネルギー供給構造高度化法により、2030年度までに小売電気事業者に対して供給する電気の化石電源比率を44%にすることが求められています。また今後、より高い非化石化電源比率を検討することも確定しています。

非化石証書を活用することで、非化石電源比率を向上することができます。これにより非化石電源比率の達成を可能とすることができます。

再エネ賦課金の負担の軽減
再生可能エネルギーの普及を阻む要因として発電コストの負担があります。日本ではこの負担を和らげる為に「再生可能エネルギー発電促進賦課金(通称、再エネ賦課金)」として需要家の電気代に発電コストを組み込む制度を採用しています。

非化石証書の取引が活発化すれば、その売上が再エネ賦課金の原資となる為、企業の負担は経験される見通しがあります。

4、エナーバンクユーザーで購入した企業様の事例紹介

エナーバンクではエネオクを活用した電力調達を実施しており、これによって自治体や企業様の調達コストの抑制に成功しています。

事例:「島根県益田市の公共施設」
島田県益田市公共施設の電力契約の運営業務を委託し、電力リバースオークション「エネオク」を活用したことで、益田市公共施設のRE100電力調達にて調達コスト抑制をせいこうし、再エネ100%電力調達を実現しました。

事例:「環境省伊勢志摩国立公園横山ビジターセンターなど6施設」
環境省中部地方環境事務所管内の伊勢志摩国立公園横山ビジターセンターや国立公園管理事務所など6施設を、電力リバースオークションサービス「エネオク」を活用したことで、RE100電力調達を実現しました。

事例:「兵庫県加西市の市役所など公共施設」
加西市所有のほぼすべての公共施設の電力契約約563件を対象に、電力リバースオークションサービス「エネオク」を活用したことで、より競争性の高い契約の移行を支援しました。その結果、電気料金を約3.7%削減することを実現しました。

事例:「兵庫県宍粟市で市役所など公共施設」
兵庫県宍粟市で市役所など高圧供給施設43件を対象に、電力リバースオークションサービス「エネオク」を活用し、電力脱炭素化の推進を支援しました。地方自治体の事務コストを省力化した上にゼロカーボンおよび電気料金削減を実現することが可能になりました。

事例:「京都府南丹市の市有施設」
京都府南丹市の市有施設(5施設10契約)を対象に、電力リバースオークションサービス「エネオク」を活用し、電力脱炭素化の推進を支援しました。

5、非化石証書でわからないことがあればエナーバンクにおまかせ

非化石証書購入をする際には2つの方法があり、注意点も色々とあります。。エナーバンクでは、非化石証書の購入でわからないことがある事業者様からのご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。