【2024年版】非化石証書オークションの仕組みとは?
この項目では、非化石証書を最安値で購入する為に必要な情報を解説していきます。
非化石証書とはそもそもどんなものなのか。よりコストを抑えながら、非化石証書を購入する為の理解を深めることを目指します。
非化石証書とは
※経済産業省 非化石価値取引より引用
「非化石証書」とは、日本国内で取引される3種類ある「環境価値」のひとつです。他に「J-クレジット」や「グリーン電力証書」があります。
化石電源とは
日本国内の発電方法のうち、化石燃料を使用する発電方法を「化石電源」と呼び、石油や石炭、天然ガスを用いた発電方法は「化石電源」となります。環境価値は二酸化炭素濃度を高めるか否かによって判断される為、「化石電源」には環境価値はないとされます。
非化石電源とは
化石燃料を使用せず大気中の二酸化炭素濃度を高めない発電方法を「非化石電源」と呼び、太陽光や風力、水力、地熱、発酵熱などの再生可能エネルギーに指定された発電方法や、原子力発電や廃プラスチックを利用したゴミ発電のような再生可能エネルギーに指定されていない発電方法が「非化石電源」となります。
二酸化炭素濃度を高めないことが「環境価値」ですので、「非化石電源」には「環境価値」が認められます。この「環境価値」を発電方法から切り離して、取引したり購入したりできるのが「非化石証書」と呼ばれる「環境価値」です。
「非化石証書」のFITと非FITの違い
「非化石証書」は3種類に分類されます。FIT非化石証書と、非FIT非化石証書(再エネ指定)と非FIT非化石証書(再エネ指定なし)です。
FIT非化石証書とは
FITとは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を指す言葉で、「Feed in Tariff」の略称です。読みは「フィードインタリフ」です。直訳すれば、「入れる」を意味する「Feed in」と「料金表」を意味する「Tariff」の組み合わせであり、「再生可能エネルギーを導入した際のコスト負担を買取価格に入れた料金体制」を意味します。これは「全量固定価格買取制度」と訳されます。
国が太陽光発電所の普及を目指し、国民負担によって捻出された「再生可能エネルギー発電促進賦課金」、略して「再エネ賦課金」があります。これによって決まった一定期間は一定の価格で買い取ることが定められています。電力会社が「FIT非化石証書」を買い取り、その後、「再エネ価値取引市場」を通して扱われます。
非FIT非化石証書とは
「非FIT非化石証書(再エネ指定)」は、主にFIT制度で買い取られない「非化石電源」がこれにあたります。太陽光発電ではない発電、つまり多くは大型水力発電がこの証書です。他にも買い取りの一定期限が終了した住宅用再エネルギーの電気もこの証書になります。
残る「非FIT非化石証書(再エネ指定なし)」は、原子力発電や廃プラスチックを利用したゴミ発電のような再生可能エネルギーに指定されていない電気の証書となります。これら非FIT非化石証書は、「高度化法義務達成市場」にて扱われます。
非化石証書を購入する方法
非化石証書を購入する方法は2つあります。ひとつは買い入札を実施可能であり、実際に入札をする見込みがある事業者となりJPEXによるオークションに参加する方法です。もうひとつは、オークションに参加した対象事業者から購入する方法があります。エナーバンクは業界最安レベルでの提供を実現しています。
JPEXによるオークションで市場に流通
非化石証書はJPEXのオークションによって流通します。JPEXとは、一般社団法人 日本卸電力取引所のことを指し、日本唯一の卸電力取引市場を開設・運営する取引所です。日本においてここ以外のオークションをする場は存在しません。
日本卸電力取引所は2005年に電力取引を開始して以来、日本の卸電力取引を担っている取引所です。
オークションに参加できるのは対象事業者のみ
オークションに参加するためには非化石証書をオークションにおいて購入するためには、JEPXの取引会員となった上で非化石価値取引用IDを発行する必要があり、JPEXの非化石価値取引会員にならねばいけません。
そうした手続きをして認められた対象事業者のみがオークションに参加できます。
エナーバンクのグリーンチケット
エナーバンクは2019年9月24日にグリーン電力証書発行事業者として登録されており、グリーンチケットの販売をしています。
グリーンチケットとは、「グリーン電力証書」の仕組みを活用し、再生可能エネルギーから発電された電気に含まれる「環境価値」をデータとして可視化し転移することで日本の再生可能エネルギーの普及推進と持続可能な運営をサポートするためのサービスです。
グリーン電力証書とは
再生可能エネルギーによって発電された電気は「電気そのものの物理的価値」と同量の環境に貢献している価値「環境価値」が存在しています。この「環境価値」を取引可能な証書にしたもの、またはそれを用いる制度がグリーン電力証書です。
再生可能エネルギーの助成制度として資源エネルギー庁が定めた「グリーン電力証書ガイドライン(2008年6月制定)」によって運用が開始されています。
再エネオークション
再エネオークションとは、全国の小売電気事業者から最適な電力契約を見つけるオークションサービス「エネオク」を、再生可能エネルギーで実現したオークションサービスです。オークション形式は「リバースオークション方式」が採用されています。
リバースオークション
リバースオークション方式では、競り下げ方式によって再エネ電気の最低価格を提示する小売電気事業者を選定できるオークション方式です。一般手的なオークションとは逆で、小売電気事業者はより低価格な電力単価を入札することで落札できます。
他者の入札価格を見ながら一定期間何度でも再入札可能なオークション方式です。首都圏再エネ共同購入プロジェクトで採用されています。
首都圏共同購入プロジェクトとは
地域の事業者で一緒に再エネ電力を導入してコスト抑制を目指す為に、省エネ電力や非化石証書の共同購入を行うプロジェクトです。首都圏に事業者にある法人または個人事業主やテナント事業者も参加することができます。
自治体と連携をしながら、民間事業者の脱炭素化に向けた取り組みを支援する目的があります。
エナーバンクの再エネ共同購入の事例
エナーバンクでは、2022年11月から12月に開催された神奈川県再エネ共同購入事業において、東京電力が2022年9月20日に発表した2023年4月からの供給開始の新標準メニューと環境価値との料金比較で料金平均削減率3.6%、個別需要家ごとに契約する場合の見積もりより共同購入による削減効果1.1%を達成しました。詳細はこちら。