(エネオク)林水泳教室ご担当者様へのインタビュー
エナーバンクでは、全国の小売電気事業者から最安の電力契約を見つけられるオークション型の仲介サービス「エネオク」を中心に、脱炭素実現やエネルギー問題解決に取り組む自治体や企業を支援しています。
今回は、エナーバンクを実際にご利用いただいた林水泳教室の管理部部長 山口さんにお話をうかがいました。
株式会社林水泳教室(代表:林正基)
神奈川県茅ヶ崎市で水泳・体操・テコンドー・ダンス・バレエの各種スクールとフィットネスクラブを展開する地域密着型の総合スポーツ施設。エナーバンクの利用により4施設において一括で最適な電力供給への意思決定と固定価格での電力契約締結に至る。固定価格での契約締結により、最終保障供給と比較して1,000万円から2,000万円のコスト抑制を実現。
ーエナーバンク利用までにどのような課題がありましたか?
当時利用していた電力会社から「1ヶ月〜2ヶ月後には現在の契約内容では結べない」と言われ、急な契約終了を告げられたんですね。他のプランを検討したいと伝えて紹介された市場連動型のプランは現在の電気代+130%、2倍以上になるということで、金額にすると数千万円が追加でかかることから断念しました。
自分たちで別の電力会社を探したのですが、どこも新規契約を停止している状況でどうしようもなく、契約の期限がきたため最終保障供給を選ぶしかありませんでした。
最終保障供給とは? どの小売電気事業者とも契約の交渉が成立しなくなった会社に対して、次の小売電気事業者が見つかるまでの間、電力会社が約款にもとづいて電気を供給すること。
その際に、副社長の林が村中社長と知り合いだったもので、相談させていただきました。
ー経営層のなかで実際にどのような状況が起きていましたか?
最初は契約終了を告げられ、当時受けている提案では何千万と電気代が上がってしまうという状況で、経営層のなかでも「このままではまずい」という共通の認識を持って優先的に対処すべきという判断のもと動きました。
サービス業では特に電気を余分に使うこともあるので、供給を止められない部分ですが、かといって値段も上げられない。そんな状況でエナーバンクにたどり着きました。
エナーバンクがなければ、ずっと最終保障供給を利用していたのではないかという気がしています。
ーどのように使っていただいていますか?
実は、現在とは別に過去に2回ほど、契約には至らなかったものの「エネオク」を利用させていただいています。
初回は、新電力が盛んだった頃に「もっと安い電力会社はないか」と相談させていただきました。ただ、そのときは特別安いプランの提供があったため、結局は契約をお断りすることになりました。
新電力とは?
2016年4月の「電力の小売全面自由化」により新たに市場に参入した大手電力会社以外の電力会社のこと。
2回目は指定管理における行政とのお付き合いのなかで、電気の使用の件でご相談させていただきましたが、契約には至りませんでした。
そして3回目の今回、すでに2回お断りしてしまっているにもかかわらず、村中さんにはしっかりと相談に乗っていただけて、契約することになりました。
ー実際に使ってみていかがでしょうか?
自分で電力会社を探す場合は、複数の会社に依頼して同じような相談を何度もしなければなりませんでした。
エナーバンクを利用してからは、エナーバンクに連絡するだけで条件に合う電力会社を複数社見つけていただけてすべて解決できるので、そういう面では助かります。
契約が結べなかったものが結べるようになり、契約も市場連動型ではなく固定型ですので、安心できる部分だと感じています。
市場連動型とは?
市場価格の動きに合わせて電気料金の単価が変動するプランのこと。市場価格の基準は「日本卸電力取引所(JEPX)」の取引価格をもとにしており、30分ごとに価格が変動する。メリットとして、市場価格に応じて電気使用量を調整したり料金が割安な時間帯に利用することで電気料金を抑えられる点がある。一方でデメリットとして、市場価格を予測することは難しいために予算管理がしにくい、市場価格が高騰した場合のリスクヘッジが取りにくいなどがある。
ーやり取りのなかで感じられたことはありますか?
最初に電気代がとんでもない金額に上がると言われたときは顔が真っ青になるような状況で、なんとかしなければいけないと自分で電気のことや計算式を調べたりしましたが、間違っていて…。
その点、エナーバンクにお任せして過去のデータをお渡しすれば一括で対応していただけたので、助かりました。
ー実際のやり取りはどのように行われていましたか?
基本的に村中さんと連絡を取り合うかたちで進めました。
村中:
具体的には2回対応をしています。
最初は契約が切れるがどうしたらいいのかという初回方針を決定するため、現在の電気代と最終保障供給の比較をしました。値上げ提案を持って来られているタイミングで切り替えることは得策ではないことや、契約期間の縛りなどを検討し、数値的にもいまは最終保障供給を一度利用したほうがいいとお伝えして意思決定をいただきました。
その後、本来はエネオクというシステムをご利用いただくのですが、今回は提供いただいたデータをもとにわたしのほうでエネオクの登録や明細情報の登録などを代行させていただき、オークション結果として入札された電力会社を資料にまとめてご提案しました。
価格で言うと、現在の電気代が全体で4,000万円から5,000万円のところ、最終保障供給では1.4倍から1.5倍ほどの金額でしたので、1,000万円から2,000万円程度の削減ができたということになります。安定化かつコスト抑制という提示をさせていただきました。
ーどのような事業の施設でご利用いただいていますか?
スポーツ施設を運営しておりまして、全部で4つの施設の電力についてご依頼しました。場所や形態はバラバラですが、一括してお願いできるので、施設ごとに電力会社を変えることもなく助かっております。
ーエナーバンクについてどのような点に魅力を感じられますか?
エナーバンクにお願いすればあとは全部やってくれることが大きいですね。さらに、条件に合うなかで最も安い電力会社を提案いただけるので、そこが魅力だと考えています。
ーほかの電力会社を検討する際は、どのようなことを感じていましたか?
いまの新電力の新しい提案などはどうしても市場連動型になっていて、そうなると素人では計算もできないしどうしようもなくなります。経営者視点では「結局いくらになるの?」ということが重要ですが、素人ではよくわからないんですね。
エナーバンクでは、見込みではありますが「こういうかたちで金額がこう変わります」と明言してくださって、ありがたい部分です。
ー今後、エネルギー高騰や脱炭素のなかで取り組みたいことはありますか?
弊社もSDGsを掲げていることもあり取り組みたいと考えていますが、具体的に何をするかというフェーズにはまだ至っていません。もし電力関係で何かありましたら教えていただきたいと考えています。
村中:
林さんには弊社の太陽光をご案内しています。スポーツ施設の屋根に設置できるか興味があるとのことでした。耐久年数や事業継続年度を踏まえてどこまで施設に設備を置くのかに関心を持っていただいています。
太陽光設備はコスト削減という目線でも太陽光設備を保有する価値はあるため、現状の4施設のなかで設置可能な場合はご提案できればと考えています。
細かいことでは、現在ある照明をLED化することを進めています。炭素排出量は下がっていると思いますが、単価が上がってしまっているので、どうしてもその辺りの効果が見えにくい状況ですが一応取り組んでおります。
ー弊社と同じような電力会社比較サービスと比べていかがでしょうか?
エナーバンクのほかにも電力会社と間に入ってくれる会社もありましたし、そこの対応が悪いわけでは決してなかったのですが、実際に急遽契約終了となったあとはご提案いただけることがなかったので「それしかなかったとは思うけどあとの面倒ももうちょっと見てほしかった」と感じましたね。
今回は村中さんにはメールで「現在の固定型の契約が終了した場合、1年後はどうなるのか?」とお話ししたところ、「そのときはまたわたしたちで面倒見させていただきます」というお返事をいただけたので、非常に安心できると感じました。
村中:
わたしたちの1つの強みとして、市場の新しい流れや動向について常に料金メニューの説明やシミュレーションができる環境を、システム含めスピーディーに展開していることが挙げられます。
そこの基準に合わせた提案や解説ができる点は他社と比較して強みになっていると同時に、その仕組みで提示できるようなパートナー(電力会社)を確保しているところがお客様に認められている点です。
会社の文化として、業界にリアルタイムで反映させながらお客様に価値を届けていくことを意識しています。そのため1年後にどういう環境になろうが、我々が今できる最大限の情報と電力契約を提示できるかたちでサービスを運営し、お客様とパートナーシップを結んでいきたいと考えています。
株式会社エナーバンク (代表:村中健一)
電力オークション「エネオク」事業を中心に、法人企業や自治体にデジタルソリューションを活用して電力調達や再生可能エネルギー調達をサポート。環境・エネルギー領域を超えてさまざまな連携を実現していきます。